合唱団創立20周年記念コンサートが開催されました

国分寺市国際協会合唱団創立20周年記念コンサート

「手をつなごう 世界の人々と ~歌で織りなす平和への願い~」

 

出演:国分寺市国際協会合唱団

賛助出演:グリークラブ「湧水」・地域コーラス隊「結ゅぃ」

特別出演:オクサーナ・ステパニュック

 

開催日時・会場:2022年6月12日(日)14:00開演 国分寺市立いずみホール

 

主催:国分寺市国際協会 後援:国分寺市・国分寺市教育委員会・国際ソロプチミスト国分寺・国分寺市音楽連盟


 

 創立22年を迎えた国分寺市国際協会合唱団は、「音楽は言葉なしに国を越え人々の心をつなぐ」という理念のもと、音楽を通して国際交流と多国間の相互理解を目指してきた混声合唱団です。コロナ禍によって2年間の延期を余儀なくされた20周年記念コンサートですが、本年に入ってウクライナが戦火に見舞われるという世界情勢となり、国際協会による本コンサートの意義もまた大きな影響を受けたといえます。今回のコンサートではウクライナ出身で国分寺市在住のオペラ歌手オクサーナ・ステパニュックさんを特別ゲストとして迎え、会場にはウクライナ支援の募金箱が設置されました。

 

 まず舞台に立った国分寺市国際協会合唱団は、世界の歌『愛唱歌』から、デンマーク、オランダ、スイス、フィンランド、スウェーデン、日本の歌を合唱しました。まさに音楽が世界を越えて人をつなぐという合唱団の思いを体現した歌唱で、会場に訪れた人々も「いろいろな国の歌が聞けてよかった」「世界は音楽でひとつになれると思った」という感想を語っていました。

 

 賛助出演のグリークラブ「湧水」は、平均年齢78歳の男性混声合唱団。様々な国の歌を原語で歌うことで男声合唱の魅力を伝えています。今回も、英語、ドイツ語、フィンランド語、ラテン語、そして日本語と、多彩な言語による合唱を躍動的な歌声で披露しました。団員でバリトン担当の舘尚良さんは、「今回の合唱のメインテーマは平和」と語り、「世界の平和を祈ります」と結びました。

 

 同じく賛助出演の地域コーラス隊「結ゅぃ」は、JR国分寺駅・西国分寺駅の発車音楽を作曲した信時潔氏の作品などを歌う女性コーラス隊です。今回は、『万葉集』の歌に曲をつけた合唱から始まり、流れるような旋律でブラームスやシュトラウスの曲へ続けました。団長の蓮實麗子さんは、「楽しく歌えた」と笑顔を見せ、「オクサーナさんの歌をきっかけに、国際問題について皆で考えていけるようになればいい」と語りました。

 

 スペシャルゲストであるオペラ歌手のオクサーナ・ステパニュックさんは、ウクライナ出身です。かつて国分寺市国際協会の日本語教室に通って日本語を勉強しました。「お世話になる日本の皆さんに、日本語で挨拶ができるように、日本語で手紙が書けるようになりたい」という思いで、難しい漢字の勉強にも取り組んだといいます。

 ウクライナ国歌の詠唱から始まったオクサーナさんのステージでは、心に響く曲調のウクライナ民謡、オペラ『椿姫』やミュージカル『マイ・フェア・レディ』の楽曲、最後にウクライナの歌『ドニプロヴスキーワルツ』を情感深く歌い上げられました。「ウクライナの歌には、自然、愛、人生を歌ったたくさんの素晴らしい歌詞がある」というオクサーナさん。彼女は「私の芸術活動を慈善活動につなげ、この世界をもっと美しい場所にしたい」と強い口調で語っていました。会場の人々の心にも彼女の思いが伝わったのでしょう、大きな拍手がいつまでも鳴りやまずに続いていました。

 

 閉会の挨拶に立った実行委員長の廣田昌子さんは、「さまざまな国の歌に接することによって、その国の喜び、悲しみ、希望を、歌の中から学ぶ」ことができると指摘しました。歌詞の言葉そのものの意味がわからなくても、歌はたしかに人と人との心をつなぐ力を持っているもの。今回のコンサートも、言葉にならない思いを伝える力を持っていたと感じられました。

開会の挨拶で平和への思いを表明した国分寺市長の井澤邦夫さんは、コンサート終了後、「ご出演・ご協力いただいたすべての方に感謝申し上げます」と述べ、「感動をもらいました」と笑顔を見せました。

 出演者も観客も、舞台も客席もなく、人々の思いをひとつにした力が、世界に広がっていくことを、多くの人が望んでいると感じさせられたコンサートでした。

 

広報部会