12月8日(水)、東京経済大学でシンポジウムが開催されました。題して、「世界の言葉とやさしい日本語 ~国分寺で学ぶ言語のダイバーシティとインクルージョン~」。(主催:東京経済大学SDGs推進委員会/後援:国分寺市国際協会)。
ダイバーシティ(diversity)は、日本語では「多様性」や「相違」を意味する言葉。インクルージョン(inclusion)の方は「包括」や「一体性」などを意味し、多様な人々がお互いを尊重し、個性や特性を発揮して活躍している状態をさすもので、これらは共にKIAの活動とは切っても切り離すことのできない言葉です。
シンポジウムの第1部のテーマは「言語のダイバーシティ」。対話形式で進められたこのセッションでは、東京経済大学の准教授でKIAの会長でもある小田登志子さんが聞き手となり、パキスタン、インドネシア、オランダ出身の人たち順番に登壇した話し手との間で、それぞれの言語をはじめ、国や近況報告など、楽しい会話が繰り広げられました。
Q:日本語のどんなところが難しいですか?
A:読み書き、特に漢字(ラジ・アフマドさん *パキスタン)
Q:好きな日本語は?
A:「根回し」、「忖度」、「建前」、「本音」(ラフマット・ヒダヤさん)/「きらきら」や「ぷりぷり」のようなくりかえしの言葉(リア・パラミタさん *ともにインドネシア)
Q:好きな日本語は?
A:「とりあえず」と「しょうがない」(ロヒヤ・ファン・デル・フェルデさん *オランダ)
第2部は「インクルージョンのための『やさしい日本語』」をテーマに、司会を小田さんがつとめ、KIA事務局長の押味亜希子さんが話し手となって進められました。
Q:「やさしい日本語」って何ですか?
A:日本語が不慣れな人のために言葉や表現を簡単にした日本語です。優しい(kind)気持ちと易しい(easy)伝え方がポイントです。
シンポジウムの冒頭では、小田さんから、国分寺市の外国人の人口が増え続けていて、今年の5月には3,000人を超え、9月には3,125人になったこと、また世界で使われている言語の数はおよそ7,000などの話とともに、地域において、多様な住民と共生社会を築くためには相互理解が不可欠との訴えがなされました。
こうした相互理解こそがお互いに尊重し合うことの土台であり、その起点となるのは知ることにあるのではないかと、改めて感じさせてくれるシンポジウムでした。
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